試験前の勉強の仕方

小学校と中学・高校との大きな違いとして、

真っ先に定期試験が思い浮かぶのではないでしょうか。

試験のプレッシャーもさることながら、試験前になると、

どうしてもやる気が起きない

どこを勉強したらよいのかわからない

などの悩みと向き合っている人も多いのではないかと思います。

学び方教室でも、全ての学習は精神状態によると考え、

人それぞれの学習の方法をデザインしています。

そこで今回は、ひとつの方法としての

試験前の勉強の仕方についてお話ししたいと思います。

1.学習のスケジュールを立てる

近年、「スタディープランナー」と呼ばれる

勉強用のスケジュール帳が、文房具店などで発売されています。

計画性を持つことの重要性は、学習においてももちろん同じです。

スタディープランナーのような学習のスケジュール帳の基とされるのは、

工場などで効率的に作業を行なうために作られた、

ガントチャートとよばれる表です。

学習スケジュールにおいては、

①それぞれの科目ごとに項目を分け、

②試験範囲の中からポイントを絞ることで、

③試験までの期間にどこの部分の学習を進めればよいのか

が、一目見ただけで分かるようにすることができます。

また、自ら表を作ることにより、配られた試験範囲の

プリントを見るだけよりも、

「試験範囲はここだ」と明確に自分の中に刷り込むことができます。

2.学習方法を復習に絞る

定期試験の際、基本的には試験問題に出る範囲が発表されるかと思います。

ただ、試験範囲が配られるのは試験2週間前などの、

比較的直前になってからが多いため、

範囲が発表されてから試験勉強に取り組む方も多い

のではないでしょうか。

(中には毎回前日に一夜漬けで覚えていた方もいるかもしれませんが(笑))

ただし、学校にもよりますが、ほとんどの場合

学習したことのない範囲が出題されることはありません。

とすれば、試験前の期間には、

予習よりも復習に重点を置いた方が得策

と言えるでしょう。

授業の中で書いたノートを寝る前に5分見直してみるなど、

ちょっとしたことでも習慣化させていくことで、

学習内容を定着させていくことに有効です。

3.時間を意識する

試験というのは、限られた時間の中で問題を解いて

いかなければなりません。集中して問題を解いていると、

試験の時間はあっという間に過ぎていきます。

しかし、一つの問題に時間をかけすぎてしまうと、

その他の問題を解く時間が無くなり、

本来の力を出し切れずに終わってしまった

…なんてことになりかねません。そこで、

普段の学習からタイマーを使用するなどし、現段階で

一問につきどのくらいの時間がかかるのか、

どれくらいの時間で解いていく必要があるのかなど、

時間の感覚を身につけていくことが重要です。

そうすることで、試験の中でどうしても解けない問題に対して

長い時間をかけるより、いったん別の問題に取り組んでから

もう一度解いてみるなど、

それぞれの問題にかける時間を工夫する

ことができます。

できた、わかった、という感覚や経験が増えれば、

学習に対する意欲も向上するかもしれませんね。

以上、試験前の勉強の仕方についてお話ししました。

 

イラスト:ニョラネコ

こまめな休憩で勉強効率アップ!?集中力と休憩の関係

平成から令和に変わった2019年。

今年のゴールデンウィークは

過去最長の10連休となり、多くの方が

ゆっくり過ごせたのではないかと思います。

普段、学校の勉強や仕事に追われている方にとって、

良いリフレッシュ期間になったのではないでしょうか。

そこで今回は、勉強におけるひとやすみ

「休憩」をテーマにお話ししたいと思います。

 

勉強でも仕事でも、集中力は人それぞれですね。

しかし、苦手なことや面倒なことに対しては、

どうしても集中力を持続させることは難しいものです。

では、試験前や受験勉強など、

何としてでも勉強を進めなければならない時は、

一体どうしたらよいのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

実は、勉強効率を上げたい場合、

こまめに「休憩」を取り入れることが効果的、

と言われています。

「頻繁に休憩なんてしてたら、勉強が進まないんじゃ…」

といった声も聞こえそうですが、

そもそも人間の集中力は15分が限界と言われています(個人差有)。

人間は、集中すると脳からγ(ガンマ)波

というものが発生します。このγ波には

周期があり、長くても15分程度

γ波の分泌量は減少していきます。つまり、

γ波の周期に合わせて学習と休憩を上手く組み合わせて

いくことで、勉強効率をアップさせる可能性が大きくなるのです。

 

 

 

 

 

 

 

難しい・苦手な問題は見るのも嫌、

小説なんて1ページで限界など、

ネガティブなイメージを持っていることに対しては

集中力が続かないけど、

好きなことなら何時間でも集中できる!

という方もいるかとは思います。これは、

好きなことや楽しいことをしている際に、

ドーパミンという快感や多幸感を得られる神経伝達物質

が分泌される関係で、

長い時間集中して物事に取り組むことができる

のです。この15分という集中力に関し、

大学で心理学の講義を受講していた時の実体験があります。

4日間、朝から夜まで続く集中講義は、

いくら興味のある分野とは言え集中力が続かず、

まるで苦行のように感じたものでした。

しかし最終日の先生は、

15分ごとに短い休憩を取り入れ、

「休憩時間は寝るなり携帯をいじるなり、

 どうぞお好きに過ごしてください」

というスタンスでした。すると、その日は

全く眠くならず、集中して講義に臨むことができた

だけでなく、これまでで最も

内容が理解できたように感じました。

その日以来、学習をする時には

「休憩」を意識的にとるようにしています。

とはいえ、15分という時間はあくまで目安ですので、

集中力が切れたな、と思ったら

意識的に休憩を取るようしてみてはいかがでしょうか。

勉強の効率が上がるかもしれません。

ぜひお子さんやご自身の学習に取り入れてみて下さい。

 

以上、勉強における「休憩の仕方」についてのお話しでした。

 

イラスト:ニョラネコ

これで勉強が好きになる⁉~好きなことから楽しく学ぶ~

勉強嫌いな子どもの中には、

文字を読んだり書いたりすること自体が嫌い、

そもそも勉強に関心が無いという場合を多く見かけます。

勉強と言うと、

「教科書を読む」

「ノートにたくさん漢字を書いて覚える」

といった、読み書きのイメージが強いかと思います。

読み書きが嫌、苦手=勉強が苦手

という理由で勉強自体を避けていれば、結果として

学力や学習意欲の低下につながりかねません。

今回は、そのような子どもたちがどのようにすれば

学習に親むことができるのか、その方法をいくつかお話したいと思います。

 

・ゲーム感覚で覚える

今の子どもたちにとって、

ゲームとは遊びの主流となるツールとなっています。

現代には非常に多くのジャンルのゲームが存在し、

自分の興味関心にあったゲームを取捨選択し、

子ども達はゲームに夢中になっていきます。

「ゲームばっかりやってないで勉強しなさい」

「ゲームばかりやっていると成績が落ちるよ!」

そんなことを言っても、楽しくて夢中になれるものからは、

そう簡単には離れられません。

 

その集中力を学習の方に向けられないだろうか…

そんなことを考えている保護者の方は多いのではないでしょうか。

ゲームは勉強とは違うと思うかもしれませんが、

ゲームを通しての勉強をすることによって、

ゲーム感覚で楽しく学習に取り組むことは有効な手段となり得るのです。

昨今、ゲームといえばテレビゲームやパソコン、スマホなどの

持ち歩き可能なものが主流ですが、

カードゲームやカルタなどは、

記憶力、反射神経や戦略性など、

多感覚を使用しながら楽しく勉強できる要素を含んでいます。

私たちの教室では、市販の四字熟語のカルタが人気です。

ふだんあまり文字や言葉に親しんでいない低学年の小学生たちも、

ものすごい勢いで四字熟語を覚えていきます。

(今では教員たちは子どもたちに全く歯が立ちません…笑)

カルタのカードはほかにも、都道府県、国旗、歴史など

あらゆるジャンルのものがあります。

また、その子どもに合わせて、

オリジナルのカードゲームを作成することも可能です。

他にも、タブレットを使った学習の中には、

クイズ番組のような演出があったり、

シューティングゲームのように楽しめたりと、

子どもたちの興味をそそる工夫

が凝らされているアプリが数多く配信されています。

ゲーム感覚で学習することで、

楽しみながら学習に触れる感覚を養うことができます。

 

・興味関心の高いものを用いる

身近なものや興味関心の高いものから学ぶことで、

「勉強する」という感覚から少し離れて、

学びに対する抵抗感を和らげることができます。

最近学習教材で「う○こドリル」という漢字ドリルが大ヒットしました。

う○こと漢字というミスマッチが妙におかしく、

小学校低学年の子どもたちがおもしろおかしく勉強するには

もってこいの教材です。

この「う○こドリル」にヒントを得て、私たちの教室では

子どもたちの興味のあることを材料

漢字ドリルを作成したりしています。

「電車ドリル」「ゲームのキャラクタードリル」など

いろいろなドリルをつくりましたが、

これらのドリル学習を通して子どもたちは

読み書きに触れる意欲を示すようになってきました。

その他にも、生き物が好きな子が熱心に図鑑を読むことで、

いつの間にか漢字の読み書きを覚えていた、

というケースもあります。

子どもたちが好きなものを「教材」として活用すれば、

自然な形で学習に触れ、気づいたら学んでいた、

という形を作ることができます。

遊びや日常生活の中に、実はたくさん学習の要素が

転がっているのかもしれませんね。

学び相手~学習効果を上げるためには?~

先日のブログにて、

学ぶ場所、学ぶ相棒(文房具)に

ついてお伝えしてきました。

学習環境を整え、勉強しやすい文房具を見つけたけど、

まだ何かが足りない…そこで今回は、

学習効果を高める学び相手について

お話ししたいと思います。

何のために勉強するかと言えば、

自分自身の学力を向上させるためであって、

登山やマラソンのように、基本的には孤独な闘いです。

「勉強=やらなければいけないこと」というイメージが強く、

ましてや苦手な問題が出てくると、

「勉強=苦手=やりたくない」と感じる人も、

少なくないのではと思います。

しかし、そんな困難を一緒に乗り越えていける仲間や、

親身になってサポートしてくれる人がいたらどうでしょうか。

お互いを励まし合うことで辛さが軽くなったり、

ふとしたことから難問を乗り越えるヒントが

得られたりすることもあるかもしれません。

例えば、試験前に友人と勉強会をしてテストに臨んだ

という方は多いのではないでしょうか。

「良い点を取りたい」

「何とか補講は避けたい」

「せっかくだし友達と一緒にいたい」など、

理由は様々あるかとは思いますが、

勉強という共通の目的を持つ仲間と学習することで、

ただ苦しいだけの勉強と比べれば、

モチベーションは大きく変わってくることでしょう。

人によっては、

「勉強するつもりでいたけれども、結局おしゃべりばかりで

集中できなかった」なんてこともあるかもしれません(笑)

しかし、ある問題でつまずいたときに、

先生よりも気兼ねなく聞ける仲間に教えてもらった方が、

場合によっては腑に落ちることもあれば、

モヤモヤしたときに気の置ける仲間とリラックスすることで、

学習と休憩のメリハリがつき、

結果として効果的な学習ができることもあります。

また、一人で黙々と勉強をするよりも

「あいつも頑張っているから、俺も頑張ろう」

「これだけ頑張っているのだから、あの人には負けたくない!」

などと切磋琢磨する環境があれば、

学習の相乗効果を生み、

自然と「勉強しなければ」という雰囲気が生まれてきます。

また、周囲が静かに勉強している図書室や図書館に足を運んでも、

同じ雰囲気を感じるでしょう。

こうした集団での自発的かつ自然な形での学習環境は、

アクティブラーニングという観点でも効果的であるとも言えます。

ブログ「アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)とは①」

もちろん、一人で勉強した方が集中できる、

という方も大勢いることかと思います。

大事なことは、自分に合った学び方で勉強する

ということです。

もし、一人で勉強をしていて、

「いまいちモチベーションが上がらない」

「どうしてもやる気が起きない」など停滞感を感じているのであれば、

学び相手を見つけて勉強をしてみるのも良いのではないでしょうか。

 

イラスト:ニョラネコ

学びの相棒「文房具」

前回のブログでは、

教室で先生の話を聞くことや

勉強机と向き合うことだけでなく、

様々な勉強の環境・場が広がっていること

をお伝えしました。

「勉強に向かうモチベーションがあがらない…」

「簡単に今の勉強の環境を変えるのは難しい…」

そんな方は、学びの相棒を作ってみるとよいかもしれません。

相棒と抽象的な言い方をしましたが、簡潔に言えば勉強に使っている

鉛筆やペン、消しゴムなどの文房具のことです。

文房具によっては、学習意欲や効果を高めることができる

場合もあるのです。

文房具一つでそんなに変わるの?

と感じる方もいるかもしれませんので、

使う文房具を変えてみることをお勧めする理由をいくつかお話しします。

一つ目の理由としては、

文房具の機能性が向上することで、

学習効率の向上にも期待できる

という点です。

今や一般的になりつつある、

書いても書いてもペン先が尖ったまま書くことができるシャープペンシルや、

こすると消えるカラーペンなどは非常に画期的で、

これまでの勉強の仕方に変化をもたらしました。

書けば書くほど丸くなっていってしまう鉛筆やシャープペンシルが

大嫌いだった筆者にとって、この商品の登場はまさに救いの神でした。

もちろん、その文房具のおかげで成績が上がったと

言い切ることはできませんが、

板書を書き写すのが楽しくなったり、

英単語の書き取り練習が長く続けられたりするようになり、

学習に向かう姿勢や意欲は強くなりました。

二つ目に、

書字が苦手な子どもには、

その子に合った文房具を使わせてあげると、

書字の改善がみられる

ことがあるということです。

例えば鉛筆。

鉛筆には様々な硬さがあります。

筆圧の強い子が柔らかい芯の鉛筆で字を書くと、

必然的に文字が太くなりやすくなり、

筆圧の弱い子が硬い芯で字を書くと、

文字が細くなったり、ふにゃふにゃと曲がりやすく

なったりしてしまいます。

そこで、

筆圧が強い→HB以上の硬さの鉛筆

筆圧が弱い→2Bや4Bなどの柔らかい鉛筆

を使うようにすれば、

一定の改善が見られる場合があります。

消しゴムなども同様です。

強くこすりすぎて破れてしまう場合は、

消す力が強いものや電動消しゴムなどを使ってみる

ことをお勧めします。

ただ文房具を変えるだけで

すべてが改善されることを期待するのではなく、

「学習に向かう姿勢を変えるきっかけになるかも」

くらいの気持ちで試してみると良いかもしれません。

今度文房具売り場に行った際は、必要なものだけでなく

別のコーナーをのぞいてみてください。

「これは使えそう!」

「こんなものがあったんだ!」と、

もしかしたら新たな発見があるかもしれません。

皆さんの勉強がより楽しくはかどらせる相棒を、

探してみてはいかがでしょうか。

 

イラスト:ニョラネコ