漢字学習について

こんにちは、SeedsAPPの佐久間です!

久しぶりの学習の様子の投稿です!今回は漢字学習についてお話しします。

 

国語の勉強には主に「話す」「聞く」「読む」「書く」の4つの要素があります。

また、国語が苦手だと他のすべての科目に影響が出ると思います。

中学になると読解力がなければ勉強に取り組む難易度もぐっと上がり、実際に苦労している子を多く見ています。

そのため、小学校低学年のうちから国語力を磨いていくことが大切です。

 

ただ、国語に対して苦手意識を持つ子供は多いです。

特に「読む」「書く」に悩んでいる子が多く、漢字練習に強い抵抗を感じています。

そんな時には新感覚無料教材memo:Re(メモリ)がおすすめです!

 

memo:Reでは「目」と「耳」で漢字を覚えます。

色分けされた漢字の部位と同時に流れる語呂覚えの音声を確認することで、楽しく漢字を覚えることができるアプリです。

 

写真は、実際にアプリを使って漢字を覚えている様子です。

「何度も同じ漢字を書きたくない」という子も、別のやり方で学べるのです。

私自身も小学生の時はそれがしんどく、サボりすぎて職員室で書かされた過去があります笑

 

memo:Reを使えば楽しく漢字を覚えられますよ!

memo:Reは下記リンクからどなたでも無料でご利用いただけます!

ぜひ一度試してみてくださいね!

https://seedsapp.jp/memore/

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当団体の「漢字習得」のための「多感覚デジタル副教材開発事業」が 令和5年度「かながわボランタリ活動補助金事業」として採択されました

SeedsAPPでは、自分らしく楽しく学べる

「学び方教室BB」(個別学習教室)を開室して6年が経ちました。

いわゆる学習塾でありますが、普通の学習塾と違うのは、

子どもと相談しながら

その子どもが最も勉強しやすい「学習方法」を

一緒に創っていくという点です。

 

6年間で延べ309名の‟自分らしく学びたいこども“と共に

学んで参りました。その経験の中から、子どもたちから

気づかせてもらったことが沢山あります。

勉強が好きでないという子どもたちの中には、

それなりの言い分がきちんとある人が少なくありません。

その子どもたちの言い分にしっかりと耳を傾けてみると、

知的に高いとか低いとかの問題ではなく、

「学び方」が自分に合っていないことがとても多い

ということです。

 

学びづらさをもった子どもの中に

「学習障害」と診断されるケースがあります。

私たちはその「学習障害」という言葉に

とても大きな違和感を持っています。

 

学びづらさの原因が子ども側にあるのではなく、

「学び方」が子どもに合っていない、すなわち

「学習法」がその子どもの「学習の障害」

になっているというのが正解だと私たちは考えています。

そのよう思いから、当団体(NPO法人SeedsAPP)では、

2023年4月に「学び方Labo」を設立いたし、

さまざまな「学び方(勉強法)」や「教材」の研究・開発を

スタートさせています。まず第一弾として、

学習の基礎である「読み書き」

テーマを絞り、学習法の研究及び

「多感覚デジタル副教材」の開発をスタートさせました。

そして、先日2023年2月15日に

「かながわボランタリ活動補助金事業」

のプレゼンテーションが行われ、

当団体の「漢字習得」のための

「多感覚デジタル副教材開発事業」が

令和5年度の補助金対象事業

として採択されました。

 

今回の事業を採択していただいた理由は、この教材開発が

単に漢字がしっかり書けるようになるといった目的に留まらず、

「読み書き」が思うようにいかず、

すっかり自信を失くしている子どもたちの自信や

自己肯定感を高めることを目的にしている

という点を評価していただきました。

漢字書字が苦手で、何度繰り返し練習しても身につかず、

諦めていた子どもが、

「できた!」「覚えられた!」「なんか楽しい!」

そんな小さな成功体験を積み重ねることで、

「自信」の種を子どもの心の中に植え付けられればと考えています。

 

「根を養えば、木は自ら育つ」

そのような子どもの変容を見ることが私たちSeedsAPPの願いです。

 

次年度からスタートする教材開発の進捗を

随時発信して参ります。その学習法及び教材につきまして

現場の子どもたちのリアルな体験を含めご紹介していく予定です。

どうぞご期待ください。

2023年「学び方Labo」活動のご紹介

2023年が幕開けをいたしました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年(2022年)の4月に当教室を運営するNPO法人SeedsAPPでは「学び方Labo」を設立いたしました。このLabo(研究室)の目的は、多様な個性をもつ子どもたちが自分らしく楽しく学べるように、様々な“工夫”や“選択肢”のある「学び方」を研究・整理し、それらを広く社会に普及していくことです。

知的に高いとか低いとかということではなく、学校の集団授業のようなスタイルには、なかなか馴染めなかったり、また、画一的な「学び方」がしっくりこなかったりなど、従来の「学び方」がどうも合わないと感じている子どもたちも少なくありません。

そのような子どもたちの中には、学習に対して、すっかり「自信」や「意欲」を失ってしまっていたりする子どももおります。そして、中には「学習障害(LD)」などと診断されるケースもあるのです。

しかし、本当に学習障害という言葉が適切なのでしょうか? 私たちは今までの多くの子どもとの関わりの中で、従来の「学び方」では、思うように学習成果が上がらない場合でも、その子どもの精神状態を整え、その子に応じた「学び方」で進めた時に、今までとは違う「学習成果」を上げる子どもたちが沢山いるという事実を経験させていただきました。

ですから、「子どもが学習障害」なんかではなく、「学び方がその子どもの学習の障害“になっているのでは」という考えに至ったのです。そして、冒頭に記しました通り、2022年4月に「学び方Labo」を設立することとなったのです。

 

昨年1年間のLaboの活動では、主に読み書きを苦手とする子どもたちのことについて研究を進めました。現在、その子どもたちが楽しく学習が進められるための「デジタル副教材」の開発を行なっています。まずは「漢字」と「英単語」について、多感覚を使って楽しく学べる教材となるべく進めています。読み書きを苦手とする子どもには様々な要因があります。中にはディスレクシアといって、文字などの視覚認知の課題や音と文字を対応させる音韻処理の課題などがあるとされている場合もあります。

そのような子どもたちにとって学びやすい「学び方」(教材)は、すべての子どもにとって学びやすい「学び方」の選択肢となり得るはずです。

この「学び方Labo」を進めることで、学校などの集団授業が合わずに自信を失っている子どもが「自信」や「自己肯定感」そして「希望」を取り戻すことができるようになることが私たちの願いです。さらには、すべて子どもたちの秘めた才能が引き出され、その可能性が閉ざされることなく世の中で花開かれていくことがとても大切であると考えております。

オーディオブック~本を聞いて理解する~

皆さんは普段、本や新聞などを

どれくらい読んでいますか?

ちょうど夏休みのこの季節だと、

読書感想文に悩むお子さんも多いかもしれません。

そこで今回は、新しい読みの形として、

聞いて理解する方法「オーディオブック」

についてお話ししたいと思います。

皆さんは「オーディオブック」をご存知でしょうか。

最近テレビのCMなどでも流れているので、

耳にしたことがあるかもしれません。オーディオブックとは、

言葉の通り「聞く本」のことで、

絵本から実用書まで、既に発行されている

本の本文を音声収録し、それらの

その音源が商品として販売されている物のことを指します。

本を持ち運ぶ手間がないことや、

通勤途中や何か作業をしながらでも

本の内容を「聞く」ことができるため、

新たな読書の形として定着しつつあります。

オーディオブックの発行数は年々増加傾向にあり、

大手通販サイトでも販売されているほか、

オーディオブック専門の販売サイトも登場してきています。

活字離れが懸念される現代社会ではありますが、

限りある時間を有効活用できる手段としては、

非常に魅力的であると言えます。また、オーディオブックは、

新たな読書の形としてだけではなく、

「読む」ことに対して抵抗を感じている人にとって、

有効なツールの一つとなり得るのではないでしょうか。

近年では、学校の教科書の本文を音声収録し、

そのツールの活用を普及しようと取り組んでいる団体が活動しており、

読むことに困難を感じている児童・生徒に対しての

合理的配慮の一つとしても注目されています。

文字や文章を読むことに苦手を感じている人の中には、

耳で聞くことにより内容を理解しやすくなった、

というケースが少なくありません。

本や文章を読む際には、

目で取り入れた文字(情報)を言葉として認識し、

音に変換し、意味を理解する、という

非常に多くのプロセスを必要としますが、

耳から情報を取り入れることにより、

このプロセスを省略できるのです。

10年ほど前に発売された、

英語と日本語を聞き流すだけで英語学習ができるCD

などは、オーディオブックに近いタイプのものかもしれません。

このように、「聞く」理解の仕方は世の中に浸透しつつあります。

読書はしたい、してみたいけど、時間がない、文字を長時間見るのはつらい、

どうしても文字がうまく読めないなど悩みがあれば、

オーディオブックを試してみるといいかもしれませんね。

以上、聞いて理解する方法、オーディオブックについてのお話でした。

 

イラスト:ニョラネコ

試験前の勉強の仕方

小学校と中学・高校との大きな違いとして、

真っ先に定期試験が思い浮かぶのではないでしょうか。

試験のプレッシャーもさることながら、試験前になると、

どうしてもやる気が起きない

どこを勉強したらよいのかわからない

などの悩みと向き合っている人も多いのではないかと思います。

学び方教室でも、全ての学習は精神状態によると考え、

人それぞれの学習の方法をデザインしています。

そこで今回は、ひとつの方法としての

試験前の勉強の仕方についてお話ししたいと思います。

1.学習のスケジュールを立てる

近年、「スタディープランナー」と呼ばれる

勉強用のスケジュール帳が、文房具店などで発売されています。

計画性を持つことの重要性は、学習においてももちろん同じです。

スタディープランナーのような学習のスケジュール帳の基とされるのは、

工場などで効率的に作業を行なうために作られた、

ガントチャートとよばれる表です。

学習スケジュールにおいては、

①それぞれの科目ごとに項目を分け、

②試験範囲の中からポイントを絞ることで、

③試験までの期間にどこの部分の学習を進めればよいのか

が、一目見ただけで分かるようにすることができます。

また、自ら表を作ることにより、配られた試験範囲の

プリントを見るだけよりも、

「試験範囲はここだ」と明確に自分の中に刷り込むことができます。

2.学習方法を復習に絞る

定期試験の際、基本的には試験問題に出る範囲が発表されるかと思います。

ただ、試験範囲が配られるのは試験2週間前などの、

比較的直前になってからが多いため、

範囲が発表されてから試験勉強に取り組む方も多い

のではないでしょうか。

(中には毎回前日に一夜漬けで覚えていた方もいるかもしれませんが(笑))

ただし、学校にもよりますが、ほとんどの場合

学習したことのない範囲が出題されることはありません。

とすれば、試験前の期間には、

予習よりも復習に重点を置いた方が得策

と言えるでしょう。

授業の中で書いたノートを寝る前に5分見直してみるなど、

ちょっとしたことでも習慣化させていくことで、

学習内容を定着させていくことに有効です。

3.時間を意識する

試験というのは、限られた時間の中で問題を解いて

いかなければなりません。集中して問題を解いていると、

試験の時間はあっという間に過ぎていきます。

しかし、一つの問題に時間をかけすぎてしまうと、

その他の問題を解く時間が無くなり、

本来の力を出し切れずに終わってしまった

…なんてことになりかねません。そこで、

普段の学習からタイマーを使用するなどし、現段階で

一問につきどのくらいの時間がかかるのか、

どれくらいの時間で解いていく必要があるのかなど、

時間の感覚を身につけていくことが重要です。

そうすることで、試験の中でどうしても解けない問題に対して

長い時間をかけるより、いったん別の問題に取り組んでから

もう一度解いてみるなど、

それぞれの問題にかける時間を工夫する

ことができます。

できた、わかった、という感覚や経験が増えれば、

学習に対する意欲も向上するかもしれませんね。

以上、試験前の勉強の仕方についてお話ししました。

 

イラスト:ニョラネコ

ビジョントレーニング~読み方を助ける学び方~

文字や文章を読むことに苦手

を持っている子どもの割合は、

40人学級の中に3人程度と言われています。

これまでにも、文字や文章を読むことに苦手を感じている

子に対しての支援を書いてきましたが、

今回は「ビジョントレーニング」を紹介します。

一口に「文字や文章を読んで理解する」と言っても、

目に見えない所で実は多くの作業が行われています。

文字や文章を読むことには、以下のような一連の流れがあり、

学習を進める上でどれも欠かせない大切な要素です。

①文字・文章を見る

②文章の認識

③言語の識別

④音に変換

⑤記憶と照合

⑥意味理解

文字や文章を読むことに苦手を持っている子どもたちは、

これらのどこかで苦手を抱えていると考えられています。

例えば、文字の形や認知の偏りがあって、

・「ね」と「わ」などの似た文字をすぐに読めない

・必要としている文字が見つけられない

などの苦手が見られることがあります。

形や位置を捉えることが苦手だったりする子どもたちは

「文章または文字を認識する」ことが苦手

であると考えられます。

この時点でつまずいてしまうと、その先の

記憶や意味理解に結びついていかない

ことになります。この原因の一つとして考えられるのが、

視覚機能の弱さや偏りです。

視覚機能には、以下の3つの機能があります。

①目の運動機能…左右上下など眼球を動かして物を見るという機能

②目と体の協調…目で見た情報に合わせて正確に体を動かす機能

③視空間認知…目で見たものの色、形、距離を正確に把握する機能

これらの機能のどこかに弱点を持っていると、

文章や文字を認識することがうまくいかないことがあります。

また、ボールをキャッチできない、ダンスが苦手など、

視覚機能の弱さがスポーツ面でも苦手として現れる

こともあると言われています。

ビジョントレーニングは、

視覚機能を維持向上するために行う

目と脳のトレーニングであり、

視覚のプロセス全般を鍛えるトレーニング方法です。

ビジョントレーニングを行なうことにより、

1、動いているものが捉えやすくなる。

2、視野が広がる

3、ピントを合わせる力がアップする

などの効果が期待でき、視覚機能向上につながるといわれています。

文字や文章を読むことに苦手を持っている子どもだけでなく、

スポーツに苦手を感じている子どもたちにとっても、

有効なトレーニング方法としてメディアや書籍で話題になり、

注目を集めています。

もし、文字や文章を読むことに苦手を感じているようであれば、

一度試してみるといいかもしれませんね。

以上、ビジョントレーニングについてお話ししました。

 

イラスト:ニョラネコ

こまめな休憩で勉強効率アップ!?集中力と休憩の関係

平成から令和に変わった2019年。

今年のゴールデンウィークは

過去最長の10連休となり、多くの方が

ゆっくり過ごせたのではないかと思います。

普段、学校の勉強や仕事に追われている方にとって、

良いリフレッシュ期間になったのではないでしょうか。

そこで今回は、勉強におけるひとやすみ

「休憩」をテーマにお話ししたいと思います。

 

勉強でも仕事でも、集中力は人それぞれですね。

しかし、苦手なことや面倒なことに対しては、

どうしても集中力を持続させることは難しいものです。

では、試験前や受験勉強など、

何としてでも勉強を進めなければならない時は、

一体どうしたらよいのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

実は、勉強効率を上げたい場合、

こまめに「休憩」を取り入れることが効果的、

と言われています。

「頻繁に休憩なんてしてたら、勉強が進まないんじゃ…」

といった声も聞こえそうですが、

そもそも人間の集中力は15分が限界と言われています(個人差有)。

人間は、集中すると脳からγ(ガンマ)波

というものが発生します。このγ波には

周期があり、長くても15分程度

γ波の分泌量は減少していきます。つまり、

γ波の周期に合わせて学習と休憩を上手く組み合わせて

いくことで、勉強効率をアップさせる可能性が大きくなるのです。

 

 

 

 

 

 

 

難しい・苦手な問題は見るのも嫌、

小説なんて1ページで限界など、

ネガティブなイメージを持っていることに対しては

集中力が続かないけど、

好きなことなら何時間でも集中できる!

という方もいるかとは思います。これは、

好きなことや楽しいことをしている際に、

ドーパミンという快感や多幸感を得られる神経伝達物質

が分泌される関係で、

長い時間集中して物事に取り組むことができる

のです。この15分という集中力に関し、

大学で心理学の講義を受講していた時の実体験があります。

4日間、朝から夜まで続く集中講義は、

いくら興味のある分野とは言え集中力が続かず、

まるで苦行のように感じたものでした。

しかし最終日の先生は、

15分ごとに短い休憩を取り入れ、

「休憩時間は寝るなり携帯をいじるなり、

 どうぞお好きに過ごしてください」

というスタンスでした。すると、その日は

全く眠くならず、集中して講義に臨むことができた

だけでなく、これまでで最も

内容が理解できたように感じました。

その日以来、学習をする時には

「休憩」を意識的にとるようにしています。

とはいえ、15分という時間はあくまで目安ですので、

集中力が切れたな、と思ったら

意識的に休憩を取るようしてみてはいかがでしょうか。

勉強の効率が上がるかもしれません。

ぜひお子さんやご自身の学習に取り入れてみて下さい。

 

以上、勉強における「休憩の仕方」についてのお話しでした。

 

イラスト:ニョラネコ

書くのが苦手⁉遅い⁉~まずは苦手の理由を見つける~

学校の授業を受ける上では

黒板に書かれた内容をノートに書き写す作業、

いわゆる「ノートをとる」ことが大切になってきます。

特に中学生になってからは、板書された内容をしっかり

ノートに取れるか取れないかによっても、

成績に影響が大きく出てくるとも言われています。

そこで今回は、学習に苦手を感じる要因の一つ

「書く」ことについてお話ししたいと思います。

自分たちの経験として、

授業の中で当たり前に行なわれている

「ノートをとる」という作業。

ただ書いてある内容をノートに書き写すだけの、

口で言えば単純にさえ感じられる作業ですが、

この「ノートをとる」という作業は、

目で見た情報を形として取り込み、

再度頭の中で文字にし、

その文字を手を使ってアウトプット

しなければなりません。

意外と複雑かつ多くの処理を同時に行なう、

この「書く」という作業が苦手な子どもたちは、

実は数多く隠れています。

このような子どもたちは、学習の大きな部分を占める

「書く」という作業が苦痛になっている場合があります。

なんとか授業についていこうと、一生懸命ノートをとろうとしても、

授業のスピードについていけず

周囲からどんどん遅れてしまい、

結果として自信を失っていき、学習そのものが嫌いになる

というケースも少なくありません。

板書された内容、つまり目から取り入れた情報を

文字にして書くという作業が苦手な理由には、

以下のようなものが考えられます。

・複数の作業を同時に進行するのが苦手

(先生の話を聞く・黒板を見る・黒板をノートに写す)

・黒板を見たり手元のノートを見たりと視線の往復が苦手

・対象の物に焦点を合わせるのに時間がかかる

(板書の字・手元のノート)

・集中力が続かない

(ほかに興味が行ってしまう、興味のないことは集中できない)

・短期記憶が苦手

(何度も黒板を見返さなければノートに写すことができない)

・文字を読むことに困難を抱えている

(ディスレクシアなど)

 

基本的に、集団を相手にしながら行う学校の授業では、

書くこと・ノートをとることが苦手な生徒にスピードを

合わせてしまうと、どうしても

授業全体のスピードがゆっくりになってしまうため、

そうした子どもたちに対して、

思うように配慮がなされない事も少なくありません。

脱ゆとり教育の波から、

これまで以上に授業内容と書く量も増えてきており、

授業のスピードは加速する一方です。

書くことに困難を感じている児童・生徒を対象に、

カメラやタブレット等を利用して、

板書内容を撮影し後でノートに写し取る

という方法を取り入れているケースもありますが、

中には「その生徒だけを特別扱はできない」

という理由から、なかなかそれを実施できている学校は少ない

ようです。書く・ノートをとることの苦手な子どもは、

この「書く」作業によって、

学習に対しネガティブな感情を抱いていたり、

その他の手段があれば授業についていけるはずなのに、

それができず困っていたりするのです。

すべての子どもたちが、それぞれの持つ可能性を最大限に引き出すためにも、

できるだけ多くの支援や配慮が柔軟になされるべきではないか

と思います。そのためには、

一人ひとりの子どもの得意や苦手を理解し、

有効な支援が適切に行われる環境が必要

なのではないでしょうか。

以上、学習に苦手を感じる要因の一つ「書く」ことについてお話ししました。

 

イラスト:ニョラネコ

子どもへの声掛けについて~具体的な声掛けの仕方~

前回のブログで、

学習する際の声掛けについて

お話ししたかと思います。そこで今回は、

具体的な声掛けの例を紹介していきたいと思います。

まず一つ目に紹介したいのが

「やったことを認める」ことです。

学習成果のみに注目してしまうと、

成果が見えなかった際に

「まだこれしか終わってないの?」

「何回やればわかるようになるの!」といった、

ネガティブな声掛けが生まれてしまいがちです。

しかし、

「今日も良く頑張ったね」

「よく諦めず最後まで解いたね!」と、

学習に取り組んだという事実を認めてあげることで、

褒める回数をグンと増やすことができます。

また、学習に取り組んだということを認めて褒めてあげることで、

子どもには「褒められた」という記憶が残り、

自己肯定感が高まって学習習慣の定着につながりやすくなります。

また、褒めるときには

褒める内容を具体的にするとより効果的です。

「今日は時間をかけて丁寧に文字を書いていたね」

「走るときの脚の動かし方がいいね」

「いつもより〇〇分も集中して問題に取り組めたね」

といった、具体的な数字や範囲を上げての声掛けにより、

年齢を問わず本人の中に何が出来たのかが明確になり、

行動継続のモチベーション繋がります。

二つ目に、本人の意思決定・行動選択を促す声掛け

をすることです。

「まだここまでしか出来てないの?!」ではなく、

「よくここまで頑張ったね!じゃあここまでやったら

1ページ終わるから、もう少しだけ頑張ってみない?」

とやったことを認め、「頑張ってみない?」と

強制ではなく本人にやる・やらないのかを選択をさせる

ことがポイントです。

ただし、そもそもやりたくない勉強をしている子どもの場合、

「もうやんなーい」と投げ出してしまう可能性

は十分あります。その時には、本人の意思をまずは尊重し、

「そっか、よく頑張ったね」と、頑張りを認めて休憩させてあげましょう。

反対に、自分の中で学習のペースをつかめている瞬間であれば、

「できるかも?!」という期待感から、

もう少し取り組めるかもしれません。

「まだ残ってるでしょ、早くやりなさい」

声をかけたくなるのをグッと堪え

「できたらすごいなぁ」と、少しだけ

子どものプライドをくすぐってあげてみてください。

最初から完璧を求めるのではなく、

予定していたうちの8割出来たら合格

と切り替えていくことも、学習習慣を定着させるための

足掛かりには必要です。

どちらの声掛けについても、

ちょっとした工夫で今すぐできる方法ばかり

ですので、ぜひ試してみてください。

子どもたち一人ひとりにあった声掛けの方法を探していくことで、

学習に対して前向きな姿勢を育んでいけるといいですね。

以上、具体的な声掛けの例についてのお話しでした。

 

イラスト:ニョラネコ

子どもへの声掛けについて ~言葉一つで気持ちは変わる~

学習やスポーツ、芸術など、

人によって得意なもの・苦手なものの分野は

それぞれ違います。

「もともと得意だった」

「熱中していたらいつの間にか得意になっていた」

という場合もあるでしょうし、

「どんなに頑張ってもできるようにならない」

「苦手だから放っておいたらもっと苦手になっていた」

という場合もあるかもしれません。

得意・苦手を感じる理由ももちろん人それぞれですが、

その理由の一つとして、

周りの人からの声掛けが要因になる場合もあります。

自分が得意・苦手だと思っていなくても、

「字がきれいだね」と褒められたらどうでしょうか。

自分の字に自信を持っていなくとも悪い気はしないでしょうし、

得意だと思っていれば「よりきれいに書こう」と

意識が向くかもしれません。反対に、

「君は字が汚いね」と声をかけられたらどうでしょうか。

得意だと思っていた人は「私の字は汚いんだ」と

自信を無くしてしまうかもしれません。

 

もともと字を書くことにコンプレックスを抱いている人であれば、

「きれいな字を書けるようになりたい」

と思うかもしれませんし、

「だから字なんか書きたくないんだ」

「どうせ私にはできないから」

と思うこともあるでしょう。どちらであっても、

嬉しく感じることはないのではないかと思います。

筆者が幼稚園に通っていた頃の経験談ですが、工作をしていた時に

「〇〇ちゃんははさみを使うのがとっても上手ね」

と先生に声をかけられたことを、今でもよく覚えています。

どの先生に言われたか、いつ言われたかはほとんど記憶にありません。

ただ、その一言は私に大きな自信をもたらしました。

今でもはさみを使うときに思い出すことがあります。

言葉には、相手のモチベーションに

プラスにもマイナスにも影響を与える力があります。

声掛け一つで、子どもがやる気を出して物事に取り組めるように

なるのであれば、それに越したことはありません。

頑張りを認めてあげる、そしてそれを

声に出して本人に伝えてあげる

声掛けを実践してみてはいかがでしょうか。

次回以降で、声掛けの方法についてもう少し詳しくお話しして

いきたいと思います。

 

イラスト:ニョラネコ