文字や文章を読むことに苦手
を持っている子どもの割合は、
40人学級の中に3人程度と言われています。
これまでにも、文字や文章を読むことに苦手を感じている
子に対しての支援を書いてきましたが、
今回は「ビジョントレーニング」を紹介します。
一口に「文字や文章を読んで理解する」と言っても、
目に見えない所で実は多くの作業が行われています。
文字や文章を読むことには、以下のような一連の流れがあり、
学習を進める上でどれも欠かせない大切な要素です。
①文字・文章を見る
②文章の認識
③言語の識別
④音に変換
⑤記憶と照合
⑥意味理解
文字や文章を読むことに苦手を持っている子どもたちは、
これらのどこかで苦手を抱えていると考えられています。
例えば、文字の形や認知の偏りがあって、
・「ね」と「わ」などの似た文字をすぐに読めない
・必要としている文字が見つけられない
などの苦手が見られることがあります。
形や位置を捉えることが苦手だったりする子どもたちは
「文章または文字を認識する」ことが苦手
であると考えられます。
この時点でつまずいてしまうと、その先の
記憶や意味理解に結びついていかない
ことになります。この原因の一つとして考えられるのが、
視覚機能の弱さや偏りです。
視覚機能には、以下の3つの機能があります。
①目の運動機能…左右上下など眼球を動かして物を見るという機能
②目と体の協調…目で見た情報に合わせて正確に体を動かす機能
③視空間認知…目で見たものの色、形、距離を正確に把握する機能
これらの機能のどこかに弱点を持っていると、
文章や文字を認識することがうまくいかないことがあります。
また、ボールをキャッチできない、ダンスが苦手など、
視覚機能の弱さがスポーツ面でも苦手として現れる
こともあると言われています。
ビジョントレーニングは、
視覚機能を維持向上するために行う
目と脳のトレーニングであり、
視覚のプロセス全般を鍛えるトレーニング方法です。
ビジョントレーニングを行なうことにより、
1、動いているものが捉えやすくなる。
2、視野が広がる
3、ピントを合わせる力がアップする
などの効果が期待でき、視覚機能向上につながるといわれています。
文字や文章を読むことに苦手を持っている子どもだけでなく、
スポーツに苦手を感じている子どもたちにとっても、
有効なトレーニング方法としてメディアや書籍で話題になり、
注目を集めています。
もし、文字や文章を読むことに苦手を感じているようであれば、
一度試してみるといいかもしれませんね。
以上、ビジョントレーニングについてお話ししました。
イラスト:ニョラネコ