勉強をするとき、皆さんは
シーンとした場所と
多少音が聞こえる場所の
どちらが集中できますか?
街中のカフェや図書館などで勉強している人を見てみると、
音楽を聴きながら勉強している人を多く見かけます。
この「音楽を聴きながら勉強する」という方法は、
実際に学習効率を上げるのでしょうか。
◎気持ちを作る効果
音楽には、心をリラックスさせる効果があるといわれています。
心地よい音楽を聴きながら運動や作業をすることで
効率が上がることは証明されているそうです。
実は勉強にも同じ効果が表れ、
嫌だとかつらいとか思って勉強するよりも、
自分の好きな音楽や落ち着ける音楽を聴くことによって、
楽しい気分で勉強に取り組んだり、
勉強にスムーズに取り組める姿勢を作ったりすることができます。
また脳科学では、音楽の刺激によって脳内の
ドーパミン(幸福感や快感・意欲に関係する神経伝達物質)が分泌され、
処理能力が上がるという効果も実証されているようです。
◎集中を作る効果
(当教室で音楽を聴きながら勉強する子ども)
音楽には集中力を高める効果があるとも言われています。
スポーツ選手が試合前にお気に入りの音楽を聴いて
集中力を高めている姿を見かけます。周りの雑音を遮断して、
自分の気持ちを高めることによって
試合や競技に集中できる効果をもたらします。
勉強するときも、音楽を聴くことによって
周りのおしゃべりの声や誘惑的なテレビの音を遮ることで
目の前の勉強だけに集中して取り組むことができます。
音楽を聴きながらの勉強法は効果あると思います。ただし、
マイナス効果や注意しなければならない点
もあると思います。
◎音楽が邪魔をする
逆に音楽が勉強の邪魔をしてしまうことはあります。
自分の好きな音楽を聴いていると
どうしても音楽のほうに気を取られてしまい、
必然的に勉強に身が入らなくなってしまいます。
特に、歌詞のある曲を聴いていると歌詞が頭の中に入ってきてしまい、
どうしても勉強に集中することができなくなります。
頭の中で二つの情報を処理することは、
当然処理速度を下げることにつながります。
◎集中力を下げてしまう
作業や運動などの音楽は効率的ではありますが、
覚えたり考えたりする勉強では、
音楽が邪魔をして集中力を下げてしまう結果になります。
集中して考えているときは、周りの音を遮断していますので、
聞いている音楽も頭の中では聞いていません。
音楽が聞こえてしまうことが考えることを邪魔して、
集中できないのです。
とはいえ、音楽を聴きながらの勉強は、相性がいい人も悪い人もいます。
メリット・デメリットを考え、自分に合った勉強法を見つけてほしいと思います。
イラスト:ニョラネコ