算数障害(学習障害)の学び方①

発達障害(学習障害)の中のひとつ、

算数障害というものがあるのを

聞いたことはありますか?

知的な遅れはないのに、

なぜか算数や数学だけに苦手意識をもち、

学習が思うように進まなかったりするのです。

今回は、算数障害についてお話ししたいと思います。

算数障害の例としては、

九九だけ覚えられない

数の大小が理解しづらい

計算の記号が理解しづらい

文章題や図形になるとまったくダメなど…

算数障害と言っても、その特性は様々あり、

大きく分けて2つのタイプがあると言われています。

1つは、

「計算はできるけれども、数学的推論や数の概念が理解しづらい」

もう一つは、

「数の概念や数学的推論は得意だけれども、計算が苦手である」

といった具合です。

算数障害が特に意識されやすくなる年齢は

9歳~10歳頃が多いと言われます。

俗に言う「9歳の壁」頃に目立ってくるのです。

この「9歳の壁」とは、まさに

小学校3年生や4年生の学年で、学習内容としては、

小数や分数といった抽象概念が学習の中心

になってくるころです。それまでは、

周りの子どもと比べても決して算数が苦手という事もなく、

むしろ得意な印象すらあった子どもが、

途端に算数の学習が遅れがちになってしまうのです。

学年が上がるにつれ計算も複雑さを増し、

それまでは、ある意味機械的な操作で何とかなっていたことが、

数学的な思考・推論などがとても理解しづらく

とても苦痛なものとなってしまうのです。

では、どのように対応していけばよいのでしょうか。

算数障害の特性に応じたいくつかの対応をご紹介します。

 

・数の概念について理解しづらい

→ことあるごとに数の体験をさせるようにする

例:電車が好きな子どもには、何号車?

  魚が好きな子どもには「鯉が何匹?」

…日常生活の中で自然に“数”と仲良くなるのもひとつの方法です。

 

・数の大小が上手につかめない。

→頭の中だけでなく、具体物を使って学習する

…数直線などを用いて、大きい数は長く、小さい数は短いなど

視覚的なイメージとともに理解させるようにします。

もちろん広さと狭さと数の大きさを繋げることも良いでしょう。

 

・かけ算が苦手

→ゲーム感覚で数に触れ、抵抗感を和らげる

写真:かけ算カルタ

…単純な暗唱に抵抗感を示していることも多いので、

「かけ算カルタ」で遊びながらかけ算に触れてみたり、

ゲームが好きな子どもには、ゲームのキャラクターやアイテムを問題に使って

かけ算をしたりすることなども有効です。

 

苦手意識を、好きなこと・興味の持てる事で包んでしまうと学びは進みやすくなります。

算数障害に限らず、子どもの学習における

ネガティブな意識をどのように取り除くかが

とても重要です。

 

次回は、算数障害の学習方法についてお話を深めてみます。

 

イラスト:ニョラネコ

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