「なぜ勉強嫌いになるのか」

子どもたちに「 勉強は好きですか」と質問します。

 「勉強大好き」と肯定的にこたえる子は少なく、逆に「勉強嫌い」と答える子は意外に多かったりします。なぜ子どもたちは勉強を嫌いになってしまうのでしょうか。

 

 

 

 

まだ学校に行っていない未就学児に同じような質問をしてみると

「 僕は自分の名前書けるよ 」とか「 私はたし算ができるよ 」とか目を輝かせながら答えてくれます。勉強に対する希望に満ち満ちています。そもそも一般的に言われる「勉強」というものをまだ経験していないから肯定的な言葉が返ってきて当然であると思います。

しかし、小学生になるといよいよ勉強が始まります。ここで「勉強嫌い」が発生します。

同じ年齢の子が同じ勉強を一斉にスタートするわけですから、しばらく進むにしたがって

「できる」「できない」の差が表れてきます。本来、人それぞれであり「学ぶ」ことに関しても個人差があり「学ぶ」方法もスピードも違っています。小学校入学時に全員横並びであるわけがありませんので差ができるのは当然です。しかし、周りの大人は「学び」を「勉強」というくくりで子どもたちを見て、「できる」「できない」で評価するのです。評価は「できる」子にしてみれば励みになります。逆に「できない」子にとってみれば劣等感につながっていきます。子ども自身も周りの子どもたちとの差を感じ、大人たちの評価で自信を失っていくのです。

 「勉強」とそれに対する「評価」は中学になるとさらにギアを上げていきます。定期テストは数字による評価となって表れ、評価はその後の進路選択にもかかわってきます。学習内容が難しくなるにしたがってその差は広がっていき、新たに差を感じ始める子どもを出てきて、「勉強嫌い」が増えていきます。

 本来、人は「学ぶ」ことに対しての欲求があります。幼児たちの「学ぶ」ことに対する姿勢を見ていればわかります。しかし、「勉強」という枠の中で周りと比べられることで「勉強嫌い」を生み出してしまうのではないのでしょうか。

 

 「勉強嫌い」の子どもたちが自分らしく前進していくためには、自身の得意不得意を理解して、その得意なことや好きなことを磨くことも有効であると感じています。例え小さくても、成功体験を積み重ねたり、周りとの比較ではなく過去の自分との比較の中で成長を実感したりすることが大きな自信となるからです。

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