読み書き表現に関する支援方法③

前回に引き続いて「読み」に関する漢字学習の支援についてお話しします。

 

漢字の支援方法②

 

(3)意味に焦点を当てて漢字の読みを覚える。

漢字は古くは中国の象形文字に起源も持っている文字です。ですから基本的にはその文字の形が何かを表している、意味を持っているのです。例えば「木」という漢字、これはまさに木の形そのものを表した漢字です。このように、字自体がその形を表している漢字、意味を持っている漢字は、多くは小学校の低学年で学ぶものです。その漢字の成り立ちや形を理解することで、意味をイメージすることができ、その漢字を読むことができるようになっていきます。意味を考えることはその意味をイメージができることであり、読めることで文章を理解することができるようになっていきます。

 

 

 小学校低学年で出てくる漢字は比較的簡単であり、形から意味を理解することが容易です。しかし学年が進むにしたがって、画数も多くなり、漢字の持つ意味も複雑化していきます。その中には基本的な漢字の組み合わせから成り立っている漢字も多くあります。それらの漢字は基本的な漢字の意味からその漢字の意味を類推することも可能なわけです。例えばその漢字の部首から意味を類推することもできます。「サンズイ」のついた漢字は「水」に関係する漢字、「ニンベン」のついた漢字は「人」に関係する漢字など、漢字の形から意味を結びつけることができ、「読み」を覚えやすくなるのです。

 

 漢字の意味を考えて覚えていくことは「読み」にとって大切なことです。たとえその漢字の音がわかったとしても、意味を理解していなかったら「読めた」ことにはなりません。その漢字の示す意味を理解して初めて「読めた」ということになるのです。漢字の学習は積み上げ学習です。基本的な漢字を知らなければその先の複雑な漢字を習得することは難しくなります。それだからこそ小学校低学年からの基礎的な漢字の学習は特に重要になるのです。

 

次回も引き続き「読み」に関する漢字学習の支援についてお話しします。

 

 

 

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