文章を読みやすくする工夫とは⁉~本や文章を読むのが苦手な場合~

これまでのブログでも何度か話題にしてきましたが、

本や文章を読むことがどうも好きではない・苦手

だという人は意外と多くいるのではないかと思います。

そこで今回は改めて、

本や文章を読みやすくする工夫

についてお話ししたいと思います。

 

文章を読み文字に触れることは、知識を取り入れること、つまり

学習の源とも言えます。また、私たちに

物事に対する興味・関心を呼び起こし

人生を豊かにもしてくれます。さらには、

普段から本をよく読む人、

活字に触れる機会が多い人は、

文字情報の処理に慣れているため、

国語が得意な人が多いようです。

反対に、本を読むことがどうしても苦手な人は、

往々にして国語が苦手という場合が多いようです。

本や文章を読むことが苦手な原因は、人によって様々です。

集中力が持続しない、そもそも興味がない、

といったケースもあるかと思いますが、

本や文章を読むことに対しての苦手の原因の一つに、

文章を目で追って読むことが苦手で、

文章を読んでいるうちに

どこを読んでいるのかわからなくなり、

本を読むことが苦痛になってしまう、というパターンがあります。

本を読むと、文字や文章を通じて、

目からの様々な情報を吸収することになります。

すると、目当ての文を読んでいるときでも、

周辺の文も同時に目から情報として次々に入ってきてしまい、

読んでいる文の意味が頭の中に入りにくくなってしまうのです。

そこで、目当ての文を意味のあるものとして認識するためには

周辺の文から入ってくる

余計な情報を除いて、脳内で情報を整理

しなければなりません。

その整理や処理が苦手であったり、

処理や整理の方法が人と違ったりすると、

読みにくさとして表れてくるのです。

つまり、本を読んでいるうちに周りの文が邪魔になり、

「あれ、どこを読んでいたんだっけ…」

「結局何が書かれているの?」

と混乱してしまうのです。

こうした、本や文章を読むことが苦手な人には、

以下のような文を読みやすくする工夫を取り入れることで、

苦手が改善する場合があります。

 

〇読んでいる所を指で追う

今自分が読んでいる所を指で追うことで、今自分が取り入れている

情報を視覚的にわかりやすくすることができます。

〇声に出して読む(読んでもらう)

文章を超えに出して読むことによって、目だけでなく

耳からも情報を得ることができるだけでなく、

取り入れた情報を操作しアウトプットすることで、

より頭の中に入りやすくなります。

〇行間を大きくとる

学校の手紙やプリント類などの印刷物は、

行間を開けて文を表示することで、文章を読みやすく

することができます。また、細かく小さな字で書かれている場合、

拡大コピーをすることも効果的です。

〇スリットを使う

定規やスリットなどを使用することで、

今どこの行を読んでいるのかを指し示すことができ、

余計な情報をカットすることができます。

 

以上のような読み方の工夫や補助は、簡単に取り入れることができます。

また、学校での学習活動においては、これらの工夫は、

合理的配慮として推奨されています。

※平成29年度文部科学省新学習指導要領解説

もしあなたや周囲の人が、本や文章を読むことに苦手を

感じているようでしたら、ぜひ一度試してみてください。

読むことが少し楽しくなるかもしれません。

 

以上、本や文章を読みやすくする工夫についてお話ししました。

 

イラスト:ニョラネコ

これで勉強が好きになる⁉~好きなことから楽しく学ぶ~

勉強嫌いな子どもの中には、

文字を読んだり書いたりすること自体が嫌い、

そもそも勉強に関心が無いという場合を多く見かけます。

勉強と言うと、

「教科書を読む」

「ノートにたくさん漢字を書いて覚える」

といった、読み書きのイメージが強いかと思います。

読み書きが嫌、苦手=勉強が苦手

という理由で勉強自体を避けていれば、結果として

学力や学習意欲の低下につながりかねません。

今回は、そのような子どもたちがどのようにすれば

学習に親むことができるのか、その方法をいくつかお話したいと思います。

 

・ゲーム感覚で覚える

今の子どもたちにとって、

ゲームとは遊びの主流となるツールとなっています。

現代には非常に多くのジャンルのゲームが存在し、

自分の興味関心にあったゲームを取捨選択し、

子ども達はゲームに夢中になっていきます。

「ゲームばっかりやってないで勉強しなさい」

「ゲームばかりやっていると成績が落ちるよ!」

そんなことを言っても、楽しくて夢中になれるものからは、

そう簡単には離れられません。

 

その集中力を学習の方に向けられないだろうか…

そんなことを考えている保護者の方は多いのではないでしょうか。

ゲームは勉強とは違うと思うかもしれませんが、

ゲームを通しての勉強をすることによって、

ゲーム感覚で楽しく学習に取り組むことは有効な手段となり得るのです。

昨今、ゲームといえばテレビゲームやパソコン、スマホなどの

持ち歩き可能なものが主流ですが、

カードゲームやカルタなどは、

記憶力、反射神経や戦略性など、

多感覚を使用しながら楽しく勉強できる要素を含んでいます。

私たちの教室では、市販の四字熟語のカルタが人気です。

ふだんあまり文字や言葉に親しんでいない低学年の小学生たちも、

ものすごい勢いで四字熟語を覚えていきます。

(今では教員たちは子どもたちに全く歯が立ちません…笑)

カルタのカードはほかにも、都道府県、国旗、歴史など

あらゆるジャンルのものがあります。

また、その子どもに合わせて、

オリジナルのカードゲームを作成することも可能です。

他にも、タブレットを使った学習の中には、

クイズ番組のような演出があったり、

シューティングゲームのように楽しめたりと、

子どもたちの興味をそそる工夫

が凝らされているアプリが数多く配信されています。

ゲーム感覚で学習することで、

楽しみながら学習に触れる感覚を養うことができます。

 

・興味関心の高いものを用いる

身近なものや興味関心の高いものから学ぶことで、

「勉強する」という感覚から少し離れて、

学びに対する抵抗感を和らげることができます。

最近学習教材で「う○こドリル」という漢字ドリルが大ヒットしました。

う○こと漢字というミスマッチが妙におかしく、

小学校低学年の子どもたちがおもしろおかしく勉強するには

もってこいの教材です。

この「う○こドリル」にヒントを得て、私たちの教室では

子どもたちの興味のあることを材料

漢字ドリルを作成したりしています。

「電車ドリル」「ゲームのキャラクタードリル」など

いろいろなドリルをつくりましたが、

これらのドリル学習を通して子どもたちは

読み書きに触れる意欲を示すようになってきました。

その他にも、生き物が好きな子が熱心に図鑑を読むことで、

いつの間にか漢字の読み書きを覚えていた、

というケースもあります。

子どもたちが好きなものを「教材」として活用すれば、

自然な形で学習に触れ、気づいたら学んでいた、

という形を作ることができます。

遊びや日常生活の中に、実はたくさん学習の要素が

転がっているのかもしれませんね。

学び相手~学習効果を上げるためには?~

先日のブログにて、

学ぶ場所、学ぶ相棒(文房具)に

ついてお伝えしてきました。

学習環境を整え、勉強しやすい文房具を見つけたけど、

まだ何かが足りない…そこで今回は、

学習効果を高める学び相手について

お話ししたいと思います。

何のために勉強するかと言えば、

自分自身の学力を向上させるためであって、

登山やマラソンのように、基本的には孤独な闘いです。

「勉強=やらなければいけないこと」というイメージが強く、

ましてや苦手な問題が出てくると、

「勉強=苦手=やりたくない」と感じる人も、

少なくないのではと思います。

しかし、そんな困難を一緒に乗り越えていける仲間や、

親身になってサポートしてくれる人がいたらどうでしょうか。

お互いを励まし合うことで辛さが軽くなったり、

ふとしたことから難問を乗り越えるヒントが

得られたりすることもあるかもしれません。

例えば、試験前に友人と勉強会をしてテストに臨んだ

という方は多いのではないでしょうか。

「良い点を取りたい」

「何とか補講は避けたい」

「せっかくだし友達と一緒にいたい」など、

理由は様々あるかとは思いますが、

勉強という共通の目的を持つ仲間と学習することで、

ただ苦しいだけの勉強と比べれば、

モチベーションは大きく変わってくることでしょう。

人によっては、

「勉強するつもりでいたけれども、結局おしゃべりばかりで

集中できなかった」なんてこともあるかもしれません(笑)

しかし、ある問題でつまずいたときに、

先生よりも気兼ねなく聞ける仲間に教えてもらった方が、

場合によっては腑に落ちることもあれば、

モヤモヤしたときに気の置ける仲間とリラックスすることで、

学習と休憩のメリハリがつき、

結果として効果的な学習ができることもあります。

また、一人で黙々と勉強をするよりも

「あいつも頑張っているから、俺も頑張ろう」

「これだけ頑張っているのだから、あの人には負けたくない!」

などと切磋琢磨する環境があれば、

学習の相乗効果を生み、

自然と「勉強しなければ」という雰囲気が生まれてきます。

また、周囲が静かに勉強している図書室や図書館に足を運んでも、

同じ雰囲気を感じるでしょう。

こうした集団での自発的かつ自然な形での学習環境は、

アクティブラーニングという観点でも効果的であるとも言えます。

ブログ「アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)とは①」

もちろん、一人で勉強した方が集中できる、

という方も大勢いることかと思います。

大事なことは、自分に合った学び方で勉強する

ということです。

もし、一人で勉強をしていて、

「いまいちモチベーションが上がらない」

「どうしてもやる気が起きない」など停滞感を感じているのであれば、

学び相手を見つけて勉強をしてみるのも良いのではないでしょうか。

 

イラスト:ニョラネコ

Why Japanese people !? 横書きと縦書きの不思議

ふと疑問に思いました。

どうして英語は横書きだけなのに、

日本語は横書きと縦書きを使うのか、と。

世界の言葉の主流はほとんどが横書きです。

そもそも、人間の目は横方向に見やすくできているため、

表音文字(英語などの音を表した文字)の場合

縦に並べるよりも横に並べた方が判読しやすいそうです。

日本語のルーツは中国から渡ってきた漢字にあり、

漢字は表意文字のため、縦書きで表記されています。

漢字を基にした日本語は、

連続して文字を書く際にも

縦書きで書きやすいように発達してきました。

そのため、国語の教科書や書籍などの文章は

縦書きで表記されています。

しかし、現在では横書きの文章も増えてきました。

まさに今、読んでいただいているブログの文章もそうですが、

パソコンなどの画面の文章はほとんどが横書きです。

webサイト等を閲覧する場合、

縦にスクロールして文章を読むことが主流なので

ワープロなどで編集する際に対応しやすく、何かと利便性の高い

横書きで表記することが増えたと考えられます。

このように、横書きと縦書きを使い分けている日本語は、

他の言葉にない難しい部分を持っています。

加えて日本語には、漢字・平仮名・カタカナ・ローマ字など、

様々な種類の文字を扱っているという特徴もあります。

文章を読むことに苦手を持っている子どもたちは、

文章の中の単語を把握することが苦手だったり、

読み始めや読み終わりのスイッチの切り替えに苦労

したりしています。

細かい字や長い文章を読んでいると、

次の行がどこなのか、

縦に読めばよいのか、横に読めばよいのか、

どこの箇所を読んでいるのか

などの点で混乱してしやすくなり、苦手を感じます。

そのようなときに手助けになるのは、

文字を大きくしたり、行間を開けて文章を見やすくする方法です。

文字が重なって見える

文字が歪んだり動いて見えたりする

といった識字に困難を抱えている場合、

行間や字間を広げることで文面を見やすくすることができます。

また、スリットを使うという手段も有効です。

スリットを当てて文章を読んでいる様子

読む部分にスリットを当てることで、

今どこを読んでいるのか、

次にどこの箇所を読むのか

が判別しやすくなるほか、

目に入ってくる情報を制限できるので、

読んでいる文章に集中し、内容が頭に入りやすくなります。

世界の中でも難しいと言われる言語である日本語だからこそ、

文章を読む際に苦手を感じやすくなる原因が多いのかもしれません。

日本語の特性を理解することで、文章が読みやすくなるきっかけに

なるかもしれませんね。

 

イラスト:ニョラネコ

学びの相棒「文房具」

前回のブログでは、

教室で先生の話を聞くことや

勉強机と向き合うことだけでなく、

様々な勉強の環境・場が広がっていること

をお伝えしました。

「勉強に向かうモチベーションがあがらない…」

「簡単に今の勉強の環境を変えるのは難しい…」

そんな方は、学びの相棒を作ってみるとよいかもしれません。

相棒と抽象的な言い方をしましたが、簡潔に言えば勉強に使っている

鉛筆やペン、消しゴムなどの文房具のことです。

文房具によっては、学習意欲や効果を高めることができる

場合もあるのです。

文房具一つでそんなに変わるの?

と感じる方もいるかもしれませんので、

使う文房具を変えてみることをお勧めする理由をいくつかお話しします。

一つ目の理由としては、

文房具の機能性が向上することで、

学習効率の向上にも期待できる

という点です。

今や一般的になりつつある、

書いても書いてもペン先が尖ったまま書くことができるシャープペンシルや、

こすると消えるカラーペンなどは非常に画期的で、

これまでの勉強の仕方に変化をもたらしました。

書けば書くほど丸くなっていってしまう鉛筆やシャープペンシルが

大嫌いだった筆者にとって、この商品の登場はまさに救いの神でした。

もちろん、その文房具のおかげで成績が上がったと

言い切ることはできませんが、

板書を書き写すのが楽しくなったり、

英単語の書き取り練習が長く続けられたりするようになり、

学習に向かう姿勢や意欲は強くなりました。

二つ目に、

書字が苦手な子どもには、

その子に合った文房具を使わせてあげると、

書字の改善がみられる

ことがあるということです。

例えば鉛筆。

鉛筆には様々な硬さがあります。

筆圧の強い子が柔らかい芯の鉛筆で字を書くと、

必然的に文字が太くなりやすくなり、

筆圧の弱い子が硬い芯で字を書くと、

文字が細くなったり、ふにゃふにゃと曲がりやすく

なったりしてしまいます。

そこで、

筆圧が強い→HB以上の硬さの鉛筆

筆圧が弱い→2Bや4Bなどの柔らかい鉛筆

を使うようにすれば、

一定の改善が見られる場合があります。

消しゴムなども同様です。

強くこすりすぎて破れてしまう場合は、

消す力が強いものや電動消しゴムなどを使ってみる

ことをお勧めします。

ただ文房具を変えるだけで

すべてが改善されることを期待するのではなく、

「学習に向かう姿勢を変えるきっかけになるかも」

くらいの気持ちで試してみると良いかもしれません。

今度文房具売り場に行った際は、必要なものだけでなく

別のコーナーをのぞいてみてください。

「これは使えそう!」

「こんなものがあったんだ!」と、

もしかしたら新たな発見があるかもしれません。

皆さんの勉強がより楽しくはかどらせる相棒を、

探してみてはいかがでしょうか。

 

イラスト:ニョラネコ

文章を理解する方法~読み聞かせ~

皆さん、読書は好きですか?

こう聞くと、好きな人は比較的多いのではないかと思います。

しかし、「国語は好きですか?」と聞くと、

嫌いな人が増えるのではないでしょうか?(笑)

今回は、文章を理解する方法について、

いくつか提案したいと思います。

 

国語が嫌い・苦手な人は、

長い文章を読むことが苦手である場合が多くあります。

また、子ども大人を問わず、

「小説は読まないけど、マンガを読むのは大好き」

「マンガならスラスラ読める」

という人は多いのではないでしょうか。マンガであれば、

絵や描写から物語を理解したり、

主人公の感情に共感したりすることが可能です。

しかし、活字のみの文章になると、

なかなか内容が頭の中に入ってこないため、

興味を持ったりそそられたりすることが難しくなり、

結果としてつまらなくなってしまうこともあります。

そもそも活字を見ると苦手意識が先行してしまい、

文章に拒否反応を示してしまう…そんな子どもはたくさんいます。

文章を理解するためには、

日頃からたくさんの言葉に触れ、

文章にどれだけ慣れ親しんでいるかも重要になってきます。

読書が習慣化している子どもは、

国語も得意なケースも多いといわれています。

しかし、だからといって元々興味も持っていないのに、

「本を読みなさい」といったところで、

本を読むこと、文章に触れることの楽しさ

を知らなければ、

誰だって本を読みたいとは思いません。

そこで提案したいのは、

文章や本を「読み聞かせる」という方法です。

子どもにとってはただ聞くだけでなので、

文章に親しむステップとして有効な手段となります。

もちろん、「読み聞かせ」は

子ども限定ではなく、大人にも効果的です。

耳から入ってくる情報は、読書による視覚的な情報だけではなく

聴覚も刺激することができます。

文章を読むことに抵抗感を持っている子や

恥ずかしがる子に対しては、

文章を読んで聞かせてあげることによって、

次第と文章に親しむことができてきます。

一緒に文章を目で追いながら「読み聞かせ」をすることで、

文章を読むための練習にもなります。

読み聞かせに慣れてきて、さらにもう一歩踏み出すとすれば、

「音読」が効果的です。

声に出し、耳で聞くことによって、

多感覚で文章の情報を読み取ることができます。

しっかり、ゆっくり音読していくことによって

文章の内容の理解が進んでいきます。

すらすらと読めるようになってくると、

歌を歌うのと同じように、文章に触れること

段々と楽しんで学べるようになってきます。

「読み聞かせ」や「音読」で、まずは文章に親しみ、

楽しく文章に向かっていければ、国語嫌いや苦手意識も

少しずつ解消してくるのではないでしょうか。

 

以上、文章を理解する方法の一つ「読み聞かせ」についてのお話でした。

 

イラスト:ニョラネコ

学び方、学ぶ環境について

この時期の中学校や高校では、ちょうど定期試験の

シーズンに差し掛かっているようですね。

日々の学習や試験・受験勉強など、

皆さんはどのように取り組んでいましたか?

毎日コツコツ勉強する人もいれば、

一夜漬けで勉強する人もいたのではと思います。

勉強の仕方、学習の仕方は十人十色。実際に勉強しながら、

「この方法が一番いいな」と、納得できた方法

習慣づいてくるのが一般的ですね。

 

現代社会において、学び方・学びの環境は多様化しています。

英会話を例に挙げると、今までの学び方の形態として頭に浮かぶのは、

・駅前にある教室に通ってネイティブの先生から

 英語の授業を受ける

・本屋でテキストを買って自分で学習する

などが基本的な学び方で、学びの環境は限られていました。

しかし、今日においては英語の勉強の仕方は多様化し、

学びの環境も様々に広がっています。

上記2つの学び方に加え、

・パソコンやスマートフォンの学習系アプリでの学習

・動画視聴による学習

・通話アプリを使用し、場所を選ばずに海外にいる相手と

 やり取りをしながら話をする

といった、ICT機器を活用した学習方法や、

・教室という形態をとらず、英会話カフェなどで

 異文化コミュニケーションを楽しんでいることが

 学習につながる。

・格安航空で海外に行って異文化を肌で感じる

といった、自然な形で学習して身につけていく方法など、

学習方法の選択肢は広がっています。

学び方が多様化しているからこそ、あらゆる学習方法にチャレンジしてみて、

自分に合った学習の方法を探していくといいかもしれませんね。

「集中できない…」「中々思うように勉強が進まない…」

などの悩みがあれば、いっそのこと自分の部屋から飛び出して、

カフェや図書館あるいは外で!?など、

学習する場所を変えてみてはいかがでしょうか。

静かな環境で学習する方が集中できる人もいれば、

リビングや公園のベンチなど、少しざわざわしている

程度がちょうどいい、という人もいます。

「あれ、意外と集中できるかも」と、もしかしたら新たな発見があるかもしれませんよ?

 

以上、学び場、学ぶ環境についてのお話しでした。

算数障害(学習障害)の学び方①

発達障害(学習障害)の中のひとつ、

算数障害というものがあるのを

聞いたことはありますか?

知的な遅れはないのに、

なぜか算数や数学だけに苦手意識をもち、

学習が思うように進まなかったりするのです。

今回は、算数障害についてお話ししたいと思います。

算数障害の例としては、

九九だけ覚えられない

数の大小が理解しづらい

計算の記号が理解しづらい

文章題や図形になるとまったくダメなど…

算数障害と言っても、その特性は様々あり、

大きく分けて2つのタイプがあると言われています。

1つは、

「計算はできるけれども、数学的推論や数の概念が理解しづらい」

もう一つは、

「数の概念や数学的推論は得意だけれども、計算が苦手である」

といった具合です。

算数障害が特に意識されやすくなる年齢は

9歳~10歳頃が多いと言われます。

俗に言う「9歳の壁」頃に目立ってくるのです。

この「9歳の壁」とは、まさに

小学校3年生や4年生の学年で、学習内容としては、

小数や分数といった抽象概念が学習の中心

になってくるころです。それまでは、

周りの子どもと比べても決して算数が苦手という事もなく、

むしろ得意な印象すらあった子どもが、

途端に算数の学習が遅れがちになってしまうのです。

学年が上がるにつれ計算も複雑さを増し、

それまでは、ある意味機械的な操作で何とかなっていたことが、

数学的な思考・推論などがとても理解しづらく

とても苦痛なものとなってしまうのです。

では、どのように対応していけばよいのでしょうか。

算数障害の特性に応じたいくつかの対応をご紹介します。

 

・数の概念について理解しづらい

→ことあるごとに数の体験をさせるようにする

例:電車が好きな子どもには、何号車?

  魚が好きな子どもには「鯉が何匹?」

…日常生活の中で自然に“数”と仲良くなるのもひとつの方法です。

 

・数の大小が上手につかめない。

→頭の中だけでなく、具体物を使って学習する

…数直線などを用いて、大きい数は長く、小さい数は短いなど

視覚的なイメージとともに理解させるようにします。

もちろん広さと狭さと数の大きさを繋げることも良いでしょう。

 

・かけ算が苦手

→ゲーム感覚で数に触れ、抵抗感を和らげる

写真:かけ算カルタ

…単純な暗唱に抵抗感を示していることも多いので、

「かけ算カルタ」で遊びながらかけ算に触れてみたり、

ゲームが好きな子どもには、ゲームのキャラクターやアイテムを問題に使って

かけ算をしたりすることなども有効です。

 

苦手意識を、好きなこと・興味の持てる事で包んでしまうと学びは進みやすくなります。

算数障害に限らず、子どもの学習における

ネガティブな意識をどのように取り除くかが

とても重要です。

 

次回は、算数障害の学習方法についてお話を深めてみます。

 

イラスト:ニョラネコ

発達障害があろうがなかろうが

前回のブログで、

発達障害(学習障害)

その周辺の子どもたちが、

自分で自分に「どうせ自分はダメなんだ」

とレッテルを貼ってしまう

ケースがあるというお話をしました。

真面目な気持ちで学習に向き合っている

にもかかわらず、周囲から

「努力不足」「やる気がない」などとレッテル

を貼られてしまうことで、

どんどん自信を失っていってしまっている

ケースも少なくありません。

そこで今回は、発達障害(学習障害)やその周辺の子どもの

「学習に向かう精神状態」について、

さらに理解を深めていきたいと思います。

 

発達障害(学習障害)があろうがなかろうが、

すべての子どもについて言えることとして

「子どもは必ず成長する」ということです。

当たり前のことのようですが、その

当たり前を私たち大人は時として忘れがちなのではないでしょうか。

特に、実際に課題が目立つ子どもを目の当たりにしたとき、

その真実が見えにくくなってしまいがちです。

「何でこんなこともできないのだろう?」

「こんな態度じゃ勉強どころじゃない!」

などと悲観してしまいます。

もちろんそのことは、その子の抱える課題であり

無視できない現実でもあります。しかし、果たして

その原因は「本人」だけにあるのでしょうか?

私たちは決してそうではないと感じております。

その子どもにとっては、そのような

「問題がある状態」になってしかるべき原因

子どもの「外側」にあることが多いのです。

周囲の大人が常にその視点をもち続けられるかが大切です。

その子どもに合った学習環境や学習へのアプローチの仕方、

そして声掛けの仕方や送る視線など、

子どもの「外側」の調整や工夫そして創造によって

子どもは必ず成長するのです。

私たち大人がそのことを一点の曇りなく確信し、

行動に移せるかが、子どもにとっての大きな分かれ道となるのです。

私たちは「すべての学習は精神状態による」と考えています。

発達障害(学習障害)があろうがなかろうが

すべての子どもについて言えることです。

特に発達障害(学習障害)の子どもの中には、

学習に対してネガティブな感情を持っている

子どもも少なくありません。だからこそ、

子どもの成長を信じて向き合うことで、

より安定した子どもの「精神状態」を創ることが大切なのです。

 

次回は、算数障害(学習障害)の学び方」についてお話をしたいと思います。

 

イラスト:ニョラネコ

発達障害(学習障害)やその周辺の子どもたちの理解

学び方教室BBに通っている子どもたちの中には、

発達障害(学習障害)やその可能性

のある子どももいます。

もちろん、私たちにとっては、

発達障害(学習障害)があろうがなかろうが大切なことは、

その子どもの「ニーズ」に合った「学び方」をデザイン

していくことだと考えています。

しかし、発達障害(学習障害)やその周辺の子どもたちの課題として、

学習に自信を無くしていたり、

無気力になっていたりするケース

多々見受けられます。

それはとても残念なことであり、

私たち周囲の大人が子どもの様子や

心の内を注意深く意識しなくてはいけない点であると感じています。

 

一般的に発達障害(学習障害)があると

診断されている子どもたちは、

平均的な子どもに比べ、

物事の得意不得意のアンバランスが極端に大きく出る

ことがあります。そして従来の画一的な授業においては

どうしても不得意の部分がクローズアップされやすいのです。

その結果、発達障害(学習障害)やその周辺の子どもたちは、

周囲からいろいろな言葉を浴びせられることになります。

「こんなのもわからないの?」

「努力が足らない!」

「やる気ないなら・・・」

などなどです。

本人は至って真面目な気持ちで学習と向き合っているにもかかわらず、

なかなか思うように学習が進まず、

遅れがちになっているのです。

見た目もごく普通で、いかにもできて当たり前に見えるからこそ、

周囲は容赦なくその子の努力不足やる気の無さだと決めつけ、

責めたり叱責したりしてくるのです。

当の本人としてはたまったものではありません。

イメージ:学習障害に悩む子ども

 

そして、さらに残念なことは、

その無理解の環境の中で放置され続けてしまうと、

今度は周囲だけではなく、

自分が自分にレッテルを貼ってしまい、

本当に学習に対する意欲や自分という人間に対する

自信を失ってしまうことがあるということです。

その子どもの自信のなさや無気力状態は、

子どもの人間関係や将来の社会自立など

さまざまなことに影響を与えてしまうことになるのです。

このことは、特別なニーズを抱える単なる少数派の子どもの問題ではなく、

社会全体の大きな問題であると私たちは考えております。

 

次回は、発達障害(学習障害)やその周辺の子どもの学習についてお話ししたいと思います。

 

イラスト:ニョラネコ