勉強にやる気を出すには⁉②モチベーション編

以前のブログで、勉強をやる気にさせるためには

「勉強をする環境を整える必要がある」

とお話ししました。

勉強にやる気を出すには!?①環境編

しかし、発達障害を持っていたり、

片付けが苦手だったりする人にとって、

自分で環境の調整をすることは苦手かもしれません。

まして、環境の調整をしたからと言って、

すべてが解決するとも言い切れません

勉強をやる気にさせるには、

環境の調整に加え、

学習に対する精神状態の調整も重要なポイント

になってきます。今回は、勉強に対して前向きに取り組めるようになるための、

勉強へのモチベーションについてお話ししたいと思います。

 

●無理のない、実現可能な目標の設定

勉強に対するモチベーションを、

実現可能な目標に置き換えると、

これなら頑張れそう!」と、やる気をもって

勉強に向かうことができます。

「とにかく勉強をやろう」だけでは、

なかなか心は動きません。

ぼんやりとした曖昧な動機だと、

「まだ時間がある」とか

「ちょっと疲れたから休憩」とか、

なんだかんだ自分の中に理由を付けて

勉強を避けようとしてしまいます。

いつまでに何をやるかという目標を明確に定めることは、

前向きに勉強に取り組むための第一歩と言えます。

 

●長期目標よりも、実現可能な短期目標から

 

「〇〇高校合格」

「試験で100点」

などの目標は、

明確なように見えて実は曖昧です。

〇〇高校に合格するには、

偏差値がどれだけ必要で、

今の自分はどれくらいで、

何を克服しなければいけなくて

など、考えなければいけない点は数多くあります。

もともと勉強に対してあまり前向きでない場合、

高いハードルを設定した後に

「やっぱり無理だよ…」と考えてしまう

ことが多くあります。それよりも、

「〇日までに単語を〇個覚える」

「何も見ずに公式を書けるようにする」

など、短期的で無理のない達成可能な目標であれば、

モチベーションを保ちながら勉強に向かいやすく

することができます。

 

●背中を押してもらう

勉強に対してネガティブに考えてしまい、

自分で自分を奮い立たせるのが苦手な人も

多いのではと思います。

自分一人で先を見通して目標を立てることも結構難しいことです。

自分で気持ちを作るのが苦手な人は、

人の手を借りて背中を押してもらうのも一つの方法です。

家族や先生に相談するのはもちろん、

友達と励まし合いながら勉強したり、

切磋琢磨したりすることも良いでしょう。

勉強をするのは自分自身ですが、

何もかも自分一人で抱えるのではなく、

人の手を借りて自分自身のやる気を引き出してもらうのも

一つの方法として活用するとよいでしょう。

 

宿題や試験勉強・受験勉強などは、

すべての勉強が全員にとって楽しいとは限りません。

そうした勉強に対して、

学習環境に加えて精神状態もしっかりと調整しながら、

勉強に向かうためのモチベーションを高めていきましょう。

以上、勉強へのモチベーションについてのお話しでした。

イラスト:ニョラネコ

勉強にやる気を出すには!?①環境編

 学生時代、特に小学生の頃は、

 毎日のように学校から宿題

 出ていたのではないでしょうか。

 やらなければならないとわかっていながらも、

 なかなか宿題に取り掛かれない…

どうしてもやる気が出ない…

こんなもやもやした気持ちになって

勉強が手につかなかった経験は、誰しもあるかと思います。

では、「勉強へのやる気」はどうやって作ればよいのでしょうか。

今回は、勉強に対する子どものやる気の出し方として、

環境の作り方についてお話ししたいと思います。

 

1、やる気を作る環境調整

勉強をするときに、

周りの環境は整えられていますか。

学習の場にいろいろなものが散乱していると、

様々なものに気が散ってしまい、集中を削がれてしまいます。

宿題をしているときや、問題を解いているときに、

・机の上にあったマンガを読み始めてしまう

・少しのつもりが1時間ぐらい休憩してしまい、勉強が進まなかった

多くの人たちはこんな後悔をしています。

かくいう筆者も経験があります(笑)

こんなことを避けるためにも、机の周りの整理が必要です。

視界に入る刺激的なもの、誘惑的なもの

あらかじめ整理して遠ざけておくことが賢明です。

その中でも、現代っ子にとって最も誘惑的なアイテムは

スマートフォンやタブレットのようなモバイルメディアです。

スマートフォンやタブレットの中には、

英語や漢字などの学習アプリもある反面、

ゲームなどの誘惑的なアプリや、

時間を問わず友達が呼びかけてくるSNSが入っています。

常に近くに置いていなければ落ち着かなくなるこのアイテムを、

勉強の時間には断ち切ることができなければ、

「勉強へのやる気」を作っていくことができません。

「やるぞー!」といくら意気込んでも、誘惑に負けてしまっては、

その意気込みも一瞬のうちに終わってしまいます。

まずは環境調整、整理整頓から入っていきましょう。

 

2、自分に合った学習環境

人はそれぞれ自分に合った学習環境があります。

以前のブログで、音楽を聴きながらの勉強についてお話ししたように、

個人によって合う方法・合わない方法があります。

音楽を聴きながらの勉強【学び方教室ブログ】

自分に最適な学習環境を探すことも、

勉強をやる気につなげる方法の一つです。

自分の勉強机でやるのが一番の人、

静かな図書館のような環境があっている人、

周りの人が背中を押してくれたほうが良い人など

自分に合った学習環境のパターンを早く見つけることが、

勉強へのやる気への近道です。

また、その環境にこだわらず、

たまには環境を変えて勉強してみるのも一つの試みとしては有効かもしれません。

楽しいことやわくわくすること

「やる気」を起こさせます。

けれど、宿題・試験勉強・受験勉強などは、

すべてが楽しい勉強とは限りません。

気の向かない勉強に対して、

いかに環境を整えて自分でスイッチを入れる状態にするのかが、

まずはやる気を出すための第一歩と言えるでしょう。

以上、勉強に対するやる気の引き出し方として、

学習する環境についてのお話しでした。

 

イラスト:ニョラネコ

読み書き表現に関する支援方法「識字①」

以前のブログで、数回ににわたって

読み書き、特に漢字を学習する際の支援方法

をご紹介しましたが、今回は新たに

文字や文章の読みに関する支援の方法

をお伝えしたいと思います。

突然ですが、学校の勉強の中で、皆さんは

どんな教科・問題が得意、不得意でしたか?

漢字・計算・文章読解などなど様々だと思います。

学校では、基本的に教科書を使って授業を進める

ことがほとんどだと思われます。

学習に関わらず、日常生活において

文字や文章を「読む」ということは、

ごく当たり前に行われています。

そんな中、文字や文章を読むことに困難を持つ方がいることをご存知でしょうか。

LD(学習障害)の中でもディスレクシア(書字障害)と呼ばれ、

・漢字を覚えられない、読めない

・文章を読むときによくつっかえる

・読むことに精一杯で内容が頭に入ってこない

などなど、人によって様々な症状があります。

LD(学習障害)とは①【SeedsAPPブログ】

文章を読む際、

文章が文字ごとに大小バラバラに見えたり、

重なったり、動いたりして刺激が強く感じるように見える

といわれています。

識字障害(ディスレクシア)のように、

文字や文章の読みに困難を持っている場合、

どのような支援ができるのでしょうか。

たとえば、文書を作る際の具体的な支援一つとして、

「行間(行と行の間)字間(文字と文字の間)をあける」

という方法があります。

文字が重なって見えるなどして読みを苦手としている場合には、

行間や字間を広げることにより

文章を見やすくすることができるのです。

例えば、

 

いかがでしょうか。

一つ目の画像にある文章の行間を、二つ目では2倍に設定しています。

どちらの文章も、フォントの大きさ・種類は同じですが、

明日の持ち物三つがパッと目に入るように感じるのではないでしょうか。

また、画数の多い漢字などでは、

字間を広げることで読みやすさが向上すると言われています。

識字障害(ディスレクシア)を持つ子の支援として、

学校などで試験を行う際に、

問題文の行間や字間をあけて試験を印刷するなどの

合理的配慮を実際に行なっている場所もあります。

視力の弱い子が眼鏡をかけたり、黒板に近い席に座れるようにすることと同様に、

識字障害(ディスレクシア)を持った子に対し、

こうした配慮が当たり前に行われる必要があると言えます。

次回は支援方法 その2 をご紹介したいと思います。

 

イラスト:ニョラネコ

音楽を聴きながらの勉強

勉強をするとき、皆さんは

シーンとした場所と

多少音が聞こえる場所の

どちらが集中できますか?

街中のカフェや図書館などで勉強している人を見てみると、

音楽を聴きながら勉強している人を多く見かけます。

この「音楽を聴きながら勉強する」という方法は、

実際に学習効率を上げるのでしょうか。

 

 

 

 

 

◎気持ちを作る効果

音楽には、心をリラックスさせる効果があるといわれています。

心地よい音楽を聴きながら運動や作業をすることで

効率が上がることは証明されているそうです。

実は勉強にも同じ効果が表れ、

嫌だとかつらいとか思って勉強するよりも、

自分の好きな音楽や落ち着ける音楽を聴くことによって、

楽しい気分で勉強に取り組んだり、

勉強にスムーズに取り組める姿勢を作ったりすることができます。

また脳科学では、音楽の刺激によって脳内の

ドーパミン(幸福感や快感・意欲に関係する神経伝達物質)が分泌され、

処理能力が上がるという効果も実証されているようです。

◎集中を作る効果

 

 

 

 

 

(当教室で音楽を聴きながら勉強する子ども)

音楽には集中力を高める効果があるとも言われています。

ポーツ選手が試合前にお気に入りの音楽を聴いて

集中力を高めている姿を見かけます。周りの雑音を遮断して、

自分の気持ちを高めることによって

試合や競技に集中できる効果をもたらします。

勉強するときも、音楽を聴くことによって

周りのおしゃべりの声や誘惑的なテレビの音を遮ることで

目の前の勉強だけに集中して取り組むことができます。

 

音楽を聴きながらの勉強法は効果あると思います。ただし、

マイナス効果や注意しなければならない点

もあると思います。

 

◎音楽が邪魔をする

 

 

 

 

 

逆に音楽が勉強の邪魔をしてしまうことはあります。

自分の好きな音楽を聴いていると

どうしても音楽のほうに気を取られてしまい、

必然的に勉強に身が入らなくなってしまいます。

特に、歌詞のある曲を聴いていると歌詞が頭の中に入ってきてしまい、

どうしても勉強に集中することができなくなります。

頭の中で二つの情報を処理することは、

当然処理速度を下げることにつながります。

 

◎集中力を下げてしまう

作業や運動などの音楽は効率的ではありますが、

覚えたり考えたりする勉強では、

音楽が邪魔をして集中力を下げてしまう結果になります。

集中して考えているときは、周りの音を遮断していますので、

聞いている音楽も頭の中では聞いていません。

音楽が聞こえてしまうことが考えることを邪魔して、

集中できないのです。

 

とはいえ、音楽を聴きながらの勉強は、相性がいい人も悪い人もいます。

メリット・デメリットを考え、自分に合った勉強法を見つけてほしいと思います。

 

イラスト:ニョラネコ

英語に苦手を感じる理由って?第3弾「文法」

前回・前々回と、英語に苦手を感じる理由として

「小学校から中学校の英語教育のギャップ」

「発音」を例に挙げました。

今回は、英語の苦手になる理由として

「文法」を取り上げたいと思います。

普段使っている日本語では、私たちは文法をあまり意識していません

小さいころから生活の中で使っている言葉なので、

自然と法則性を身に付けているから、

文法を意識せずに使うことができるのです。

言葉の規則性を表す文法は、その言葉を習得するのには欠かせないものです。

しかし、生活の中で言葉を使っていれば、

文法をそれほど意識をしなくても、自然とその言葉を使いこなす

ことができるのです。

小学校の国語の授業では、高学年になってから文法を勉強します。

低学年のうちは、あまり文法を意識せず言葉の練習を繰り返し、

小学校の高学年からは文節や品詞などの言葉が出てくる

論理的な文法の理解を学習していきます。つまり、

十分に日本語という言語に慣れてから、

構成や法則を理解する文法の学習をする

ことによって日本語力を養っていきます。

一方、英語学習はどうでしょうか。

現在は小学校教育の中に、

英語に慣れ親しむという意味での学習が始まります。

そして中学校に進学して

本格的に英語の学習に継続されていきます。

小学校時代のわずかな英語に慣れるという期間を経て、

いきなり中学校時代の英文法の学習に入っていくとなると、やはりここで

小学校の英語から中学校の英語へのギャップ

に戸惑うことになります。さらにそこには文法という壁が立ちはだかります。

英文法は、日本語の文法とは違う概念がたくさんあり、

発音と同じように違うものとして理解しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

日本語の文法を基本に英文法を理解しようとすると混乱をしてしまいます。

また、最大の壁は文法を表す言葉が難しく、抽象的な言葉であることです。

「be動詞」「一般動詞」「三人称単数」などの

日本語にない英語の文法はたくさんあり、

まずこれらの文法的概念が中学一年生の初期の段階で出てきます。

英語の学習は積み上げの学習といわれています。

これらの文法的概念を理解しないと、

その先の英語の習得が難しくなってきます。

「わからない・・・」

ここで多くの子どもが心折れてしまうことになります。

文法は英語を習得する上で大切なことです。

苦手意識を持たせずしっかりと学習するためには、やはり

小学校の英語学習から中学校に向かう英語への移行がカギ

になってくるでしょう。

 

以上、英語に苦手を感じる理由として、「文法」を例に解説しました。

 

 

英語に苦手を感じる理由って?第2弾「発音」

前回のブログでは、英語に苦手を感じる理由として、

「小学校→中学校の英語教育へのギャップ」

を例に挙げました。

英語が苦手な理由って?

今回のブログでは、

英語が苦手と感じてしまう理由として、

「発音」を取り上げさせていただきます。

先日、私たちの教室で英単語の学習をしていた時の質問です。

「先生。どうして【walk(歩く)】の【a】は【あ】と読まないのですか?」

…確かにもっともな質問です。

【walk(歩く)をカタカナで表すと「ウォーク」で、

どちらかというと「お」の発音に近いものがあります。

アルファベットを最初にローマ字として習う子どもたちとしては、混乱してしまいます。

英語の発音や綴りには、このようなパターンがたくさん出てきます。

厚切りジェ〇ソンのように

「ホワーイ!イングリッシュピーポー。なんで【a】が【お】なの?わからないよ!」

と叫びたくなってしまうでしょう。笑

まず初めに、

日本語の発音と英語の発音は全く違うもの

と理解しなければなりません。

そもそも、英語の正しい音をカタカナ表記にはできません

英語の音には日本語の音と一緒のものが一つもないからです。

さらに日本語の発音は「50音」を中心に「がぎぐげご…」や

「しゃしゅしょ…」などの特殊な発音を入れても110種類程度しかないのに比べ、

英語の発音は約2000種類といわれています。

日本語と全く違う英語の発音に触れたところで、

子どもたちは英語の学習・発音に大きな壁を感じます。

ましてや、聞いて理解をすることに苦手を持っている子どもたちは、

発音の違いによる壁をより大きく感じるのです。

英語の発音をカタカナ表記している書籍は多くあります。

ですが本当の英語の発音を表すことはできず、

正しいものではありません。

そのような意味でこの学習方法も賛否の分かれるところであります。

ただ、英語への苦手意識を軽減するという意味では、

学習のとっかかりとして有効なことではないかと思います。

しかし発音に関しても、やはり

本物の英語の発音に多く触れることで、

苦手意識を和らげることができるのではないかと思われます。

なかなか難しくはありますが、生活の中で

自然に英語が触れ合える状態が理想と言えるでしょう。

そのような環境を作って、子どもたちの英語に感じる苦手を少しずつ取り払っていければと思います。

英語に苦手を感じる理由って?

こちらの教室に通ってきている生徒の中にも、

英語が苦手という生徒は多くいます。

中学校2年生を対象にした

「英語が好きですか?嫌いですか?」のアンケートでは、

60%強の子どもたちが

「英語が苦手」と答えています。

数ある教科の中でも特に、

英語は苦手意識を持たれやすい教科なのです。

第1回 中学校英語に関する基本調査(生徒調査)・速報版 [2009年]

ではどうして苦手意識を持たれてしまうのでしょうか。その理由を考えてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

英語が苦手になってしまうには様々な理由が考えられます。

その理由の一つとして、

「小学校の英語教育から中学校の英語教育へのギャップ」

があげられています。

先ほどのアンケートを同じように小学生に行なった結果では、

そこでは小学生の70%の児童が

「英語は楽しい」と答えているのです。

この結果を踏まえると、英語の苦手意識が顕在化するのは

本格的な英語教育が始まる中学校初期である

と考えられます。

小学校での英語教育は、英語に親しみなれるということで

コミュニケーションを重視して行われます。

しかし、中学校に入ると筆記のテストによって評価される

暗記中心の学習になっていきます。

今まで楽しく学習していた英語が、中学に入ると

難しい専門用語で説明された文法(三単現?一般動詞とbe動詞?前置詞?など)、

暗記しなければいけない多くの単語などを覚えなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

英語の学習のハードルが上がってしまうことでそのギャップに戸惑い、

自信を失い、英語の苦手意識が芽生えてしまいます。

英語学習は積み上げの学習といわれています。

基礎の文法や単語がわかっていなければ

次の学習を積み上げることはできない、つまり

英語も当然基礎が大切なのです。

特に中学一年生で習う文法・単語は

その後の英語学習を左右するものであるからこそ、

小学校からの英語から中学校の学習に

如何にスムーズに楽しく入り、

自然に英語の基礎を身に付けることで、

苦手意識を持つことがなく学習を迎えることができる

のではないでしょうか。

小学校から中学校へ学習のスムーズな移行、

英語の苦手意識を避けるためのキーポイントとして、そこを大切にしていけると

良いのではないかと考えられます。

 

以上、英語に苦手を感じる理由について、簡単にお話しさせていただきました。

 

イラスト:ニョラネコ

読み書き表現に関する支援方法③

漢字の支援方法③

(4)漢字の意味を理解する

前回、小学校低学年で習う基礎的な漢字の学習がその後の漢字学習の礎を築いていくというお話をさせていただきました。意味を持った形をしている漢字は、その後出てくる漢字の基となり、難しいといわれる漢字も、これらの基礎的な漢字の組み合わせからなっているのです。さらには、小学校1年生で学習するカタカナも漢字の構成のパーツとして多く使われています。この小学校低学年の学習のベースがしっかりできていることによって漢字学習の習得のスピードは格段に違ってくるといえます。

 ・言葉(漢字)のたし算ひき算

 

 

 

  簡単な漢字もパーツの組み合わせで意味を理解することができます。

 さらに難しい漢字でもこのようにパーツに分解することで意味を理解することができるのです。

 皆さん、「バラ」という字を読めますか?読めることができても書けない人は大勢いるでしょう。なぜ覚えられないのでしょうか?それは複雑で難しい漢字は「これは難しい感じだから覚えるのは無理」と思いあきらめてしまうからです。ここでパーツに分解して覚えることは有効です。難しい字でもパーツごとに覚えれば抵抗なくすことができます。

このパーツに分解して漢字もしくは文字を覚える意味理解をする方法は、漢字学習だけに限らずいろいろな学習で応用ができます。英単語の学習、歴史事項の記憶方法として個々人に合わせて工夫をして学習に取り入れることができます。

 多感覚を使った学習方法としてご紹介させていただきます。

読み書き表現に関する支援方法③

前回に引き続いて「読み」に関する漢字学習の支援についてお話しします。

 

漢字の支援方法②

 

(3)意味に焦点を当てて漢字の読みを覚える。

漢字は古くは中国の象形文字に起源も持っている文字です。ですから基本的にはその文字の形が何かを表している、意味を持っているのです。例えば「木」という漢字、これはまさに木の形そのものを表した漢字です。このように、字自体がその形を表している漢字、意味を持っている漢字は、多くは小学校の低学年で学ぶものです。その漢字の成り立ちや形を理解することで、意味をイメージすることができ、その漢字を読むことができるようになっていきます。意味を考えることはその意味をイメージができることであり、読めることで文章を理解することができるようになっていきます。

 

 

 小学校低学年で出てくる漢字は比較的簡単であり、形から意味を理解することが容易です。しかし学年が進むにしたがって、画数も多くなり、漢字の持つ意味も複雑化していきます。その中には基本的な漢字の組み合わせから成り立っている漢字も多くあります。それらの漢字は基本的な漢字の意味からその漢字の意味を類推することも可能なわけです。例えばその漢字の部首から意味を類推することもできます。「サンズイ」のついた漢字は「水」に関係する漢字、「ニンベン」のついた漢字は「人」に関係する漢字など、漢字の形から意味を結びつけることができ、「読み」を覚えやすくなるのです。

 

 漢字の意味を考えて覚えていくことは「読み」にとって大切なことです。たとえその漢字の音がわかったとしても、意味を理解していなかったら「読めた」ことにはなりません。その漢字の示す意味を理解して初めて「読めた」ということになるのです。漢字の学習は積み上げ学習です。基本的な漢字を知らなければその先の複雑な漢字を習得することは難しくなります。それだからこそ小学校低学年からの基礎的な漢字の学習は特に重要になるのです。

 

次回も引き続き「読み」に関する漢字学習の支援についてお話しします。

 

 

 

読み書き表現に関する支援方法②

漢字の支援方法①

 

漢字の支援方法をお話しする前に、漢字はどこの時点で解らなくなってしまうのかお話ししたいと思います。

漢字の学習は小学校入学から始まります。1年生の覚えるべき漢字は80文字で画数も少なく、複雑なものはありません。しかも生活の中に具体的に頻繁に出てくるものです。2年生になると160文字と3年生は200文字とその数は増えていきますが、この覚えるべき初期の段階でつまずいてしまうと、その先の漢字学習に大いに支障をきたしてしまいます。しかし、本当にハードルが上がるのは4年生からの漢字学習といわれています。「9歳の壁」という言葉があるように、学習内容には抽象的な事柄が多く含まれてきます。漢字学習においても同じことがいえ、抽象概念を示す言葉が多く出てくるようになります。さらに学習すべき字数も200文字と多くの字数が割り当てられています。漢字学習がいっぱいになって理解に苦しんでしまう子が増えてきてしまいます。

つまずきが生じるのはどこの段階か、これもまたそれぞれではありますが、苦しくなってくる初期段階を見逃さないように注意深く観察し、学習の支援を施していくことが肝心に思います。

(1)漢字にルビをふる

「読み」の学習に焦点を当てて支援をするならば、漢字を読むというハードルを取り除いてあげることが、読むということからのストレスを取り除いてあげることにつながります。

そもそも前提として「文字が読めない」のではなく「漢字が読めない」可能性があります。漢字が苦手な子の読字への抵抗感をなくすための第一段階の方法として有効です。

 

(2)辞書を活用する

 ルビをふる次の段階の支援です。漢字が読めても意味が解らない場合もあります。その時は読むことができても、意味を理解していなければ定着につながりません。自分で調べることで理解度も増し、関心を高めることが期待できます。その点では辞書を引くということは有効な方法であると思います。

 

次回にももう少し「漢字の支援方法」をお話ししたいと思います。